HSP男子がたどり着いた“考えない時間”の作り方

まぬるん

HSP歴30年以上・ミニマリスト歴5年、年間200冊以上本を読む。 家族5人全員がHSP。苦悩の結果、刺激や情報を減らすというミニマリストの考えがHSPとの相性が抜群と分かり、実践。その効果を感じている。 HSPは全員ミニマリストになれば良いと考えている。

私は昔から、何かあるとすぐ「どうしよう」「あのときの言い方、変だったかな」と頭の中でぐるぐる考えてしまうタイプでした。
人間関係でも仕事でも、「あのときこう言えばよかった…」と夜眠れなくなることも多々。

でも、ある時ふと気づいたんです。「私、考えることで自分を守ってるつもりだったんだな」って。
そこから少しずつ、思考と感情を切り分ける工夫を始めました。

このブログでは、同じように考えすぎてしんどい思いをしている方に向けて、私なりの“ゆるい対処法”をご紹介します。

なぜHSPは考えすぎてしまうのか?

刺激に敏感な脳の働き

HSPの人は、外からの刺激を受け取りやすく、しかもそれを深く処理する傾向があります。
たとえば人混みにいるだけで疲れてしまうのは、目に入る情報、音、匂い、人の表情や雰囲気まで、すべてを細かく拾って処理しているからです。

この“処理の深さ”が思考の多さにもつながっており、普通ならスルーできる出来事も、脳の中で何度も再生・分析されてしまうのです。
些細な一言や表情の変化すらも「私、何か変なこと言ったかな…?」と何度も思い返してしまうのは、そのせいかもしれません。


人の気持ちを“読みすぎる”傾向

HSPは共感力が高く、相手の気持ちを読み取る能力にも長けています。
ですが、それは「自分がどう思われているか」への過剰な敏感さにもつながります。

たとえば、LINEの返信が遅いだけで「怒ってる?」「変なこと送ったかな?」と心配してしまう。
相手の一言に深い意味を感じとってしまう。そんな経験、ありませんか?

私は昔、上司のちょっとした声のトーンの変化にビクビクして、「何かまずいこと言ったかも…」と1日中そのことばかり考えていたこともあります。


過去の出来事を繰り返し思い出すクセ

HSPの人は、記憶力がよく感情体験も強く残るため、「あのときの失敗」や「恥ずかしかった出来事」が、ふとした瞬間にフラッシュバックのようによみがえります。

しかもその思い出をただ思い返すだけでなく、頭の中で“やり直し再生”してしまうのです。
「こう言えばよかったのに」「あれって失礼だったかな」と何度も考えてしまう…。

私自身も、5年前のちょっとした言い間違いが今でも頭に残っていて、夜に布団の中で思い出しては「あー…」と一人で落ち込むことがあります。


このように、HSPが“考えすぎてしまう”のは、性格や甘えではなく、生まれ持った気質と脳の働き方による自然な傾向です。
だからこそ、無理に「考えるな」と言われてもできない。
でもその代わり、“考える時間”と“考えない時間”を意識的に分ける工夫は、誰にでも少しずつできるのです。

考えすぎがもたらす“しんどさ”とは

「考えること自体がしんどい」と感じるのは、単なる気分の問題ではありません。
思考が止まらない状態が続くと、心身にさまざまな悪影響が出てきます。

考えすぎによって現れやすい症状

以下のような状態に思い当たる方は、知らず知らずのうちに「考えすぎ疲れ」に陥っているかもしれません。

症状・状態内容
寝つけない/眠りが浅い寝る前に頭の中がフル回転し、なかなか寝つけない。
行動が止まってしまう考えすぎて不安になり、結局何もできない。
感情が不安定になる自己否定や後悔で気分が沈みやすくなる。
疲れが取れにくい常に緊張状態が続き、休んでも疲れが残る。

自分では気づきにくい“思考疲れ”のサイン

以下のような小さな違和感があれば、思考グルグルモードに入っているサインかもしれません。

よくある思考疲れのサイン

  • 「何もしない時間」すら落ち着かない
  • 些細な出来事を何度も頭の中で反芻する
  • SNSや人の言葉に必要以上に反応してしまう
  • 過去の会話を何度も思い返して自己反省
  • 「私ばっかり…」と感じてしまう孤独感

私の経験:フリーズして動けなくなった日

以前、私は大事な提出物を前にして、あれこれ考えすぎた結果、「手をつけるのが怖い」「失敗したらどうしよう」と不安が膨らみ、結局なにもできずに1日が終わったことがありました。

頭では「やらなきゃ」と思っているのに、体が動かない。
そんな自分に嫌気がさして、また自己否定が始まる……という悪循環に陥っていました。


考えすぎによる“しんどさ”は、単なる気分ではなく、思考の暴走による疲労です。
まずはその事実に気づくことが、心を軽くする第一歩になります。

私が実践してよかった「考えない時間」の作り方

「考えすぎるな」と言われても、それができないから悩むのがHSPのつらいところ。
私もずっと思考を止めたくて、いろいろ試しては失敗してきました。
そんな中でも、実際に効果を感じられた「考えない時間の作り方」をいくつかご紹介します。


スマホの通知を全部オフにしてみた

通知音って、小さな音でも脳にとっては“割り込み作業”の信号なんですよね。
私は思い切ってLINEやメール、SNSの通知をすべてオフにし、さらに常にマナーモードにしました。

するとどうでしょう。
「次は何が来るかな?」という無意識の緊張がなくなって、思考の再起動の回数がぐっと減ったんです。

自分が確認したい時だけ、スマホを確認すると決めるだけで、自分を取り戻した感があります。

実感できた効果

  • 気が散らなくなって集中力がUP
  • SNS疲れ・人間関係の気疲れが軽減
  • 無意識の“思考スタンバイ状態”から解放される

ひとり時間に“音”を取り入れる

静かすぎると、逆に思考が暴走してしまうタイプの私は、「自然音」や「ピアノソロ」を流して過ごすようにしました。

おすすめの音環境

  • 森の中の環境音
  • 雨音や川のせせらぎ
  • ピアノインストゥルメンタル
  • ホワイトノイズ(集中したいとき)

音が空間に“ふんわり広がる”ことで、頭の中の雑音がやわらぎ、自分の内側にこもりすぎるのを防いでくれます

特にHSPの人は「水に惹かれる方が多い」(イルセ・サン『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』)ので、雨音や川のせせらぎはおすすめです。


“書く習慣”が雑念を追い払ってくれた

私はノートとペンを使って、毎朝または夜に、頭に浮かんだことをひたすら書くようにしています。これが思った以上に効きました。

頭の中を紙に吐き出す「ブレインダンプ」

やり方は簡単で、思いつくことを片っ端からノートに書くだけ。

  • 今日の予定
  • 気になっていること
  • 不安なこと
  • 食べたいものまで何でもOK!

思考の渋滞整理として、朝や就寝前に特におすすめです。

『ゼロ秒思考』や『アウトプット大全』といった有名な本でも推奨されている方法です。


ニマリストの思考を取り入れる

考えすぎる自分を少しでもラクにしたいと思ったとき、私が出会って救われたのが「ミニマリズム」の考え方でした。
ミニマリストというと「モノを減らす」イメージが強いですが、実は“思考の整理術”としても非常に効果的なんです。

「本当に今、必要なことは何か?」「これは手放してもいい不安か?」と問いかけることで、頭の中のごちゃごちゃをそぎ落とす感覚が得られます。
私も不安や悩みが浮かんだときは、一度立ち止まって、その思考は今の自分にとって必要かを見つめ直すようにしています。

また、選択肢を減らすことも効果的です。
たとえば「朝の服を3パターンに絞る」「予定を1日2つまでにする」といった工夫で、選ぶ・迷う・比較することに使っていた思考エネルギーを節約できるようになりました。

考えすぎで疲れてしまう方ほど、ミニマリスト的な思考の“引き算”はとても相性がいいと感じています。

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小さな“考えない工夫”が、大きな違いを生む

最初から「何も考えない時間を作るぞ!」と意気込むと逆に難しいもの。
でも、環境を整えることや書き出す習慣を加えるだけでも、思考は自然と静かになります。

思考グセとの付き合い方を見直そう

HSPの人が「考えすぎ」を完全にやめるのは、正直むずかしいです。
でも、考えすぎないクセを身につけることはできます。

ここでは私自身が少しずつ実践してきた、思考との上手な距離の取り方をご紹介します。


「考えても仕方ないこと」を見極める

思考が止まらないとき、私はこう問いかけるようにしています。

「今考えてることって、答えが出るもの?答えが出ても私の力でどうにかなるもの?」

このワンクッションを入れるだけで、「これは今考えても仕方ないな」と自分にブレーキをかけられるようになりました。

見極めやすいポイント

思考の種類特徴対応方法
建設的な思考解決策が必要・行動につながる考え続けてOK
無限ループ思考後悔・不安・仮定の話一度ストップして紙に書き出す

「今ここ」に意識を戻すミニ瞑想

思考が過去や未来に飛びがちなとき、私はミニ瞑想を取り入れています。
といっても本格的な座禅ではなく、ほんの1〜2分でOK。

ミニ瞑想のやり方(私のルーティン)

  • 椅子に深く座る(または布団の上でもOK)
  • ゆっくり呼吸に意識を向ける
  • 頭に浮かんできた考えを「今は置いておこう」と流す
  • 「吸って…吐いて…」の呼吸のリズムだけに集中

これだけで、暴走していた思考がふっと緩み、今に戻ってこられる感覚があります。


考える前に“体を動かす”小さな習慣

不安になったとき、つい頭で考えすぎてしまいますよね。
でもそんな時こそ、思い切って体を使う行動を先にすると、脳のモードが切り替わります。

おすすめの“体から思考を切り替える”行動

  • 洗い物や掃除などの「単純作業」
  • 近所を少しだけ散歩する
  • ストレッチや軽いスクワット
  • 深呼吸しながら好きな香りをかぐ(アロマなど)

考えるより先に動いてしまえば、脳が“今ここ”に引き戻されて、思考のループから抜けやすくなります。


小さな行動の積み重ねが、やがて“考えすぎない自分”という習慣をつくっていきます。
思考とケンカするのではなく、少しずつ距離感を変えていくことが大切なのだと感じています。

考えすぎないために整えたい生活習慣

思考グセを和らげるには、頭だけでなく生活全体のリズムを整えることもとても大切です。
乱れた生活習慣は、脳を疲れさせ、思考の暴走を引き起こしやすくなります。

ここでは、私が「これ、効果あったな」と実感した生活習慣の見直しポイントをご紹介します。


カフェインや糖分の摂りすぎに注意

コーヒーや甘いものをとると、一時的に頭が冴えたような感覚になります。
でも実はその後、急激に気分が落ち込み、思考がネガティブに偏ることが多いんです。

私が感じた変化

食生活の見直し前見直し後
夜に甘いものを食べて眠れない白湯やハーブティーで落ち着く
朝コーヒー2杯で頭がソワソワ1日1杯+麦茶で安定

過剰な刺激を減らすだけで、頭のざわざわが減り、思考が静かになるのを感じました。


予定を詰め込みすぎないスケジュール

私は以前、TODOリストをパンパンに詰め込んで「できない自分」に毎日落ち込んでいました。
でも今は、“3つやれたら合格”くらいの緩さで予定を立てています。

スケジュールの工夫ポイント

  • やることは「午前・午後・夜」で1つずつ
  • 「やらない日」や「ボーッとする時間」をあえて作る
  • 余白=悪ではなく、“心のスペース”として大事にする

予定をゆるめにすることで、考えすぎる時間も自然と減りました

現代人に必要なのはTo Doじゃない。「やらないこと」をハッキリしよう

私たちは毎日、やるべきことに追われています。 To Doリストを作っては、こなせなかった自分に落ち込む。 そんな経験、ありませんか? でも本当に大事なのは、「やること」ではなく「やらないこと」を明確に ...


朝晩のルーティンで脳に安心感を

HSPは変化や突発的なことに弱い分、毎日の「決まった流れ」が心を落ち着かせてくれます

私のゆるルーティン例

  • 【朝】起きたら窓を開けて深呼吸→白湯を飲む → 今の気分や思考を3行だけ書く
  • 【夜】スマホを遠ざける → ストレッチ → 音楽を流しながらノートに今日の振り返り

このように、脳にとっての安全基地を用意してあげることで、「今日は大丈夫」と思える心の土台ができました。


生活習慣は、思考にダイレクトに影響を与えます。
がんばって変えるというよりは、「心地いい」「ちょっとラク」が続く選択を重ねていくことが、考えすぎない自分づくりの第一歩だと思います。

まとめ

「考えすぎてしんどい…」そんなふうに感じている自分を、責めないであげてください。
HSPという気質を持つ人は、脳が深く・丁寧に物事を処理するため、どうしても思考が多くなりがちです。
でもそれは決して弱さではなく、感じる力の豊かさでもあります。

私も以前は、ぐるぐる思考に飲まれて苦しんでいました。
けれど、生活の中で「考えない時間」を少しずつ増やす工夫をすることで、頭も心もふっと軽くなる瞬間が増えてきました。

スマホ通知をオフにしたり、ノートに思いを書き出したり、小さな一歩でOKです。
大切なのは「全部やろうとしないこと」。ひとつでも「これよさそう」と思ったことから、気楽に取り入れてみてくださいね。

あなたの思考が、少しでも静かに、穏やかに整っていきますように。

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