HSPが抱えがちな“自分責め癖”の正体とは

まぬるん

HSP歴30年以上・ミニマリスト歴5年、年間200冊以上本を読む。 家族5人全員がHSP。苦悩の結果、刺激や情報を減らすというミニマリストの考えがHSPとの相性が抜群と分かり、実践。その効果を感じている。 HSPは全員ミニマリストになれば良いと考えている。

「またやっちゃった…私って本当にダメだな」——そんなふうに、自分を責めては落ち込む毎日が続いていました。
誰かと話したあと、「あんな言い方しなきゃよかった」って何時間も反省して、眠れなくなることも。

もしかして私は異常なのかなって思っていたけれど、実は同じような悩みを持つ人がたくさんいると知って、少しホッとしたんです。
この記事では、そんな“自分責め癖”で生きづらさを感じていた私の体験を交えながら、どうやって心が楽になっていったかを紹介していきます。

どうして私はこんなに自分を責めてしまうの?

「なんで私って、いつもこんなに自分を責めるんだろう…」
落ち込んでいるとき、ふとそんな疑問が浮かぶことはありませんか?
誰かに怒られたわけでもないのに、勝手に自分の心の中で責め続けてしまう。
その原因には、HSP特有の気質が関係していることが少なくありません。

HSPが感じやすい「刺激」と「罪悪感」

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)は、周囲の人の表情や声のトーン、雰囲気の変化にとても敏感です。
そのため、「あの人、ちょっと不機嫌だったかも」「私のせいかも」と感じてしまいやすい傾向があります。

ちょっとしたすれ違いでも、心がざわつき、自分が何か悪いことをしたのでは…と考えてしまうのです。

HSPが刺激と感じるもの
相手の微妙な感情の変化声のトーン、表情のわずかな違い
ささいな人間関係の変化LINEの返信が遅い、反応が冷たい
場の空気や雰囲気会話が盛り上がらない、気まずい空気

これらの刺激を“悪い予兆”として受け取ってしまうことで、罪悪感が生まれ、自分を責めるループに入ってしまうのです。

自分責めが起こる4つのきっかけ

以下のような場面で、特に「自分責め」が強く出やすくなります。

  • 人間関係でのちょっとしたミス
     →「あんな言い方しなきゃよかった…」と後悔
  • 空気を読みすぎて自分を押し殺すとき
     →「あの場で笑っていたけど、本当は苦しかった」
  • 断ることができなかった後のモヤモヤ
     →「また自分の気持ちを後回しにしちゃった」
  • 落ち込んでいるときに人の言葉が刺さる
     →「あの言葉、私のことを否定された気がする…」

これらの体験に共通しているのは、「本当は何も悪くないのに、自分が全部悪いような気がしてしまう」という思考パターン。

まずはそのクセに気づくことが、自分責めをやめる第一歩になります。

自分を責める性格の背景にあるもの

「自分を責めてしまうのは、私が弱いから?」
そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。
でも実は、この“自分責め”には、生まれ持った気質や育った環境、考え方のクセが深く関係しているんです。

育った環境が影響しているかも

子どものころ、「ちゃんとしなさい」「迷惑をかけないように」と言われ続けた経験はありませんか?
親や先生の期待に応えようとして、失敗しないように気を張って生きてきた人ほど、自分のミスを強く責めてしまいやすい傾向があります。

特に「怒られたくない」「嫌われたくない」と思って育った人は、常に“誰かの顔色をうかがうクセ”がついてしまい、「自分が悪かったのでは…」と反射的に思うようになります。

思い当たることがあれば、それは“性格”ではなく“防衛反応”かもしれません。

「真面目すぎる性格」は長所でもある

完璧を目指す人は、ちょっとしたミスにも敏感です。
「もっとできたはず」「なんであんなことを…」と自己反省が止まらなくなります。

でもそれって、本来は誠実で責任感が強いという長所の裏返し
ただ、反省の“度”が過ぎてしまうと、自分を否定し続けるループに入ってしまいます。

長所裏返すと…
真面目・責任感が強い失敗に過剰反応しがち
共感力が高い相手の感情を自分のせいにする
計画的で準備を怠らない予想外の出来事に弱い

大切なのは、自分の“クセ”を責めるのではなく、「これは自分の強さがちょっと過剰になっているだけ」と捉え直すことです。

「共感しすぎる」ことで疲れてしまう理由

HSPの人は、他人の感情に敏感で、相手の気持ちを“自分のこと”のように受け取ってしまいがちです。
たとえば誰かが落ち込んでいると、「自分のせいかもしれない」と思ったり、「力になれなかった自分が悪い」と責めてしまう…。

でもその優しさは、実はとても素敵なこと。
ただし、自分を傷つけてまで共感してしまうのは、やはり苦しいですよね。

だからこそ「共感はしても、背負いすぎない」距離感を知ることが、自分を守る第一歩になるんです。

自分責め癖を手放すためにできること

自分を責めてしまうクセを「ゼロにする」のは簡単ではありません。
でも、少しずつ「気づいて」「緩めて」「距離をとる」ことならできます。
ここでは、私自身も実践して効果を感じた具体的な対策をお伝えします。

まずは「責めていること」に気づく

何かうまくいかなかったとき、「私のせいかも…」と考えるのは、もはや“反射”に近いクセ。でも、それに気づけるだけで大きな一歩です。

たとえば…

  • 「また私が悪かったって思ってるな」とつぶやいてみる
  • ノートに「今、私は何を考えてる?」と書いてみる

これだけで、心の中の“自動思考”と距離が取れるようになります。

自分を責めた瞬間、心の中で「今、またそのクセ出てるね」と声をかけてあげてください。

気持ちを書き出して客観視する習慣

自分の感情を“見える化”することで、モヤモヤが整理され、心が少し落ち着きます。

おすすめの書き出し方法:

  • 「何があった?」→「私はどう感じた?」→「その理由は?」の順で書く
  • 感情に点数をつけてみる(例:「罪悪感80点」など)

感情に名前をつけたり、数値化したりするだけで、「自分は今、こういう状態なんだ」と理解できて、冷静さが戻ってきます。

「誰かのせいにしていい」って思ってみる

HSPさんは「誰かのせいにするのは悪いこと」と思いがち。
でも、あえて「これは○○さんの態度が冷たかったからだ」と、外に目を向けてみることも大切です。

もちろん、責任転嫁ばかりでは成長につながりませんが、「いつも自分のせいにしている」という偏った見方をやめることが、心のバランスを保つコツになります。

自分を責めそうになったときの魔法の言葉

私がよく使っている“心のクッション”になる言葉をご紹介します。

  • 「私だって人間だもん、失敗することもある」
  • 「今の私にできる最善を尽くしたよね」
  • 「たまたま、今日はうまくいかなかっただけ」

これらの言葉を、心が弱っているときに自分にかけてあげると、まるで親友に慰められたような安心感が生まれます。

あなた自身は絶対にあなたの敵にならないで下さい。あなたの最大の味方はあなた自身です。

HSPの私が少しずつ楽になれた習慣

ここでは、私自身が日々の中で試してみて、「これは効いたな」と感じた習慣を紹介します。
どれも小さなことですが、積み重ねていくことで“自分責めモード”から少しずつ距離を取れるようになりました。

情報を減らして心の余白を作る

HSPは刺激に敏感なため、スマホやテレビ、SNSなどから入ってくる情報にもすぐ疲れてしまいます。
特にネガティブなニュースや誰かの怒りの投稿を見ると、「自分にも何か非があるかも」と勝手に落ち込んでしまうことも。

私が実践しているのは以下のような“情報断捨離”です:

  • 朝起きてすぐスマホを見ない
  • フォローするアカウントを「優しい発信だけ」に絞る
  • 自分に関係のない情報はスルーしてOKとする

こうするだけで、心のスペースがだいぶ広がり、不要な“罪悪感”に振り回されなくなってきました。

自分を大切にできる人とだけ付き合う

昔は「誘われたら断っちゃ悪い」と思い、どんな人とも関係を保とうとしていました。
でも、よく考えたら“無理して一緒にいる相手”といる時間こそ、自分をすり減らしていたんですよね。

それ以来、私はこんな基準で人間関係を見直すようになりました:

  • 一緒にいてホッとできるか?
  • 疲れたとき、気を遣わずに話せるか?
  • 自分の弱さを話しても否定されないか?

こういう人とだけ、ゆるく繋がるようにしたことで、「何かあっても責めすぎない自分」が育ってきた気がします。

気持ちの浮き沈みを天気のように受け入れる

昔は「今日もまた落ち込んでる…」と自己嫌悪になりがちでした。
でも今は、「今日は曇りの日」「ちょっと雨が降ってるな」くらいに感情を見ています。

感情は天気のように、変わっていくもの。ずっと晴れの日なんてないし、雨が続いたあとには晴れ間もやってくる。

そう思うだけで、「こんな自分もOK」と、責める気持ちから少しだけ離れられるようになりました。

それでもまた責めそうになったときは

いくら対策をしていても、ふとした瞬間に「また私が悪かったかも…」という思いがよみがえることはあります。
でも、それでいいんです。大切なのは「責める気持ちが出てきた自分」を、また責めないこと。
ここでは、私が実際にやっている“応急処置”のような心の対処法を紹介します。

一度立ち止まって「過去の自分」に声をかける

気持ちがグラついたとき、私は心の中で、過去の自分にこう声をかけます。

「あのときも同じように責めてたけど、ちゃんと乗り越えてきたよね」
「今回もまた一時的な気持ちかもしれないよ」

自分の中にいる“ちょっと昔の自分”にやさしく寄り添うような気持ちで話しかけると、不思議と落ち着きます。

ときには、昔の自分に手紙を書くのも効果的です。たとえば、

  • 「あなたはずっとがんばってきたよ」
  • 「あのときの失敗も、今に繋がってるよ」

そんな言葉を綴ることで、自己否定のスイッチを少しずつ切っていけます。

完璧じゃない自分を肯定できるようになるまで

「自分を責めないように」と思えば思うほど、それができない自分にまた落ち込んでしまう…。
そんなときに私が意識しているのは、「完璧じゃないことも含めて、自分なんだ」と受け入れることです。

たとえば、洗い物を忘れた日も、誰かにうまく気を遣えなかった日も、「うん、今日はちょっと余裕なかったな」でOKにしています。

理想通りにできなかった日があっても、

  • 自分に「ダメ出し」ではなく「おつかれさま」と言ってあげる
  • 「それでも私、大丈夫だよ」とつぶやいてみる

そんな小さな習慣の積み重ねが、自分への信頼につながっていくのだと思います。

まとめ:責めるクセより、いたわる習慣を

「自分を責めてばかりの自分」がイヤで、何度も落ち込んだ経験のある私ですが、今では少しずつ「そんな自分でも大丈夫」と思えるようになってきました。

自分を責めるクセは、決して悪いものではなく、「人の気持ちに敏感」「真面目で責任感がある」あなただからこそ持っている感情です。
でも、そんなあなただからこそ、もう少し“自分にだけはやさしく”してもいいんじゃないでしょうか。

・まずは「責めていること」に気づく
・心の中の声を言葉にしてみる
・情報を減らして余白をつくる
・やさしい人とだけ関わる

どれか一つでも、できそうなことから始めてみてください。
責めるクセよりも、「自分をいたわる習慣」が、きっとあなたの心をじんわりと軽くしてくれるはずです。

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