自律神経の乱れは気圧が原因?|天気痛と気象病のメカニズムをやさしく解説

天気が崩れる前になると体調が悪くなる…
雨の日は頭痛やだるさがつらい…

そんなあなたの不調は、もしかすると『気圧の変化による自律神経の乱れ』が原因かもしれません。

気圧の変化による不調は「気象病」や「天気痛」と呼ばれ、特にHSP(繊細さん)のように敏感な体質の方に起こりやすいと言われています。

この記事では、「なぜ気圧が変化すると自律神経が乱れるのか」というメカニズムを、専門家の意見や書籍を参考に、わかりやすく解説します。

また、気象病歴30年以上の私がおすすめする対策も紹介します。

※本記事は筆者の体験と書籍などの一般的な情報をもとに構成しています。
 症状が長引く場合や不安を感じるときは、医師など専門家の診断を受けることをおすすめします。

「雨が降る前に頭痛やだるさを感じる…」「天気が悪い日は気分まで落ち込んでしまう…」

それは『気圧の変化で自律神経が乱れている』のが原因かもしれません。

気圧が変化するとなぜ体調が悪くなる?

天気が悪くなり低気圧が近づくと、空気中の気圧が下がります。

気圧が下がると、身体は無意識にストレスを感じ、自律神経がバランスを崩します。

具体的には、次のような変化が起こるといわれています。

  • 副交感神経(リラックスする神経)が優位になる
    →だるさ・眠気・倦怠感などが強く出る人も
  • 交感神経(緊張・興奮する神経)が過剰に働く場合もある
    →頭痛・めまい・動悸・不安感が起きる人も

このように、気圧の変化は自律神経の乱れを引き起こし、気象病の気質を持っている人の体調不良を招く原因になります。

天気痛・気象病とは具体的にどんな症状?

気圧の変化による不調を「気象病」と呼びます。

気象病の中でも痛みを伴う症状を「天気痛」と言います。

どちらも医学界では病名としては扱われておらず、「通称」や個人の「気質」として扱われています。

具体的には次のような症状があります。

  • 頭痛や頭重感、めまい
  • だるさ、眠気、疲労感
  • イライラや不安感、気分の落ち込み
  • 肩こりや首の痛み、吐き気
  • むくみや関節痛

天気がくずれる前にこれらの症状が出る場合は、「気象病」の可能性があります。

ただし、正確な診断は病院での受診をおすすめします。

気圧による自律神経の乱れは誰にでも起こりますが、特に症状が出やすいのは敏感な体質の人です。

敏感体質な人(HSP・繊細さん)に多い理由

HSP(繊細さん)は神経が敏感で、小さな刺激でも自律神経が乱れやすい特徴を持っています。

気圧の変化を人一倍敏感に感じ取り、体調不良になりやすい傾向があるのです。

私自身もHSP気質で、天気の変化に敏感に反応し、体調を崩しがちです。

私の体験談|気圧で体調が崩れるリアルな日常

実際に私も、低気圧が近づくと次のような症状が出ます。

  • 異常な肩こりや眠気、倦怠感が襲ってくる
  • いつも以上に音や光に敏感になりイライラする
  • 頭が重くなり、頭痛が始まる
  • 台風や火山の噴火、乗り物などでも症状が出る

こうした症状により、今後の天気が予想できたりします。

気圧が自律神経に与える影響について、専門家は以下のように説明しています。

気圧変化で自律神経が乱れる理由(医師・専門書の引用)

医師で気象病専門家の佐藤純先生(名古屋大学名誉教授)によると、

「低気圧が近づくと内耳(耳の奥にある器官)が敏感に気圧の変化を感じ取り、自律神経のバランスが乱れて症状が起きる」

と解説されています。(参考書籍『「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』佐藤純 著)

つまり、自律神経の乱れは「気圧変化を感じ取る内耳の過敏さ」が主な原因だと言えるでしょう。

気象病のおすすめ書籍

  • 『「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』佐藤純 著(扶桑社)
  • 『気象病ハンドブック』久手堅司 著(誠文堂新光社)

これらの書籍は医学的に根拠があり、安心して参考にできます。

特に佐藤純先生は日本で初めて「天気痛外来」を開設された方で、日本の天気痛の第一人者です。

ここからは、気圧による体調不良を少しでも改善するために私がとっている方法を紹介します。

気圧変化を予測できる便利アプリの活用

  • 『頭痛ーる(ずつーる)』
    気圧の変化を事前に確認できる無料アプリ。
    体調の管理や予測に便利です。
  • ウェザーニュース
    天気痛予報により、翌日などの天気痛の危険度が分かる

自律神経を整える日常的なケア方法(生活習慣・食事など)

  • 規則正しい睡眠をとる(自律神経の安定に効果的)
  • 耳を温める(気圧センサーがある内耳の調子を整える)
  • 低気圧がきたなと思ったら、専用の耳栓をする
  • マグネシウム(ナッツ類、バナナ)やビタミンB群を多く摂取する

私が実践する具体的な対処法(サウナ・コーヒー・ストレッチなど)

私自身が特に効果を実感しているのは次の方法です。

  • サウナ(温冷交代浴)
    サウナに入ることで自律神経が整えられ、その後も症状が軽くなったと感じます。
  • コーヒーを飲む(カフェインの血管収縮作用)
    低気圧時の頭痛に対して、コーヒーのカフェインが効果的な場合があります。
  • 首や肩・耳のストレッチ
    血流が良くなり、自律神経の乱れによる緊張や頭痛が和らぎます。
    佐藤純先生が考案のくるくる耳マッサージも効果的です。
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気圧の変化による自律神経の乱れは、特に敏感なHSPの人ほど強い影響を受けます。

まずはそのメカニズムを理解し、自分に合った対策を見つけていきましょう。

「気圧が変化すると不調になる」と気づくだけでも、症状を軽減する一歩になります。

ぜひ、気圧に負けない心身を作っていきましょう。

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まぬるん

HSPであり、30年以上気象病に悩み続けた当事者。家族全員がHSP&天気痛体質。100冊以上の関連書籍を読み、医師の見解や論文も参考にしながら、信頼できる情報を発信しています。

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