竹取物語の舞台は奈良県広陵町?モデルとされる人物も紹介

『竹取物語』は日本最古の物語といわれています

竹の中から生まれた美しい姫・かぐや姫が、さまざまな貴族から求婚されるものの、最後には月へ帰ってしまうという幻想的な物語です

そんな竹取物語の舞台が奈良県広陵町だったという説があります

さらに、かぐや姫や求婚した貴族たちには実在のモデルがいたともいわれています

この記事では、竹取物語の舞台や登場人物のモデルについて詳しく解説していきます

竹取物語の概要

竹取物語は平安時代に成立したとされる日本最古の物語文学です

成立時期については諸説ありますが、9世紀後半(平安時代中期)頃に書かれたと考えられています

物語の内容は、日本の伝統的な説話や神話と結びつきながら、貴族社会の風刺や人間の価値観に対する問いかけを含んでいます

また、かぐや姫が「月から来た存在」であるという設定は、当時の天文学や宇宙観とも関係している可能性があり、日本古来の宗教観や異世界観が反映されているともいわれています

竹取物語の成立と作者について

竹取物語の作者については、平安時代の貴族文化に詳しい人物であると考えられていますが、詳細は不明です

有力な説として、以下のようなものがあります

  • 紀貫之(きのつらゆき):和歌や物語文学に秀でていた人物で、『土佐日記』の作者
  • 源順(みなもとのしたごう):辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』を編纂した学者

どの説も決定的な証拠はなく、竹取物語が複数の物語や伝承をもとにして成立した可能性も指摘されています

竹取物語のあらすじ

竹取物語は、かぐや姫の誕生から求婚、月への帰還までの流れを持つ物語です

場面内容
かぐや姫の誕生竹取の翁が光る竹の中からかぐや姫を発見し、育てます
貴族たちの求婚5人の貴族が求婚しますが、かぐや姫は難題を出して断ります
帝との関係帝(天皇)もかぐや姫を迎えようとしますが、姫は応じません
月への帰還かぐや姫は月からの迎えが来て、悲しみの中、月へ帰ります

貴族社会への風刺としての竹取物語

竹取物語は単なるファンタジーではなく、平安時代の貴族社会に対する風刺的要素が含まれています

  • 求婚者たちの行動: かぐや姫が5人の求婚者に対して無理難題を課す場面は、当時の貴族社会における名誉や財力を試す風潮を反映している
  • 帝(天皇)の扱い: 帝ですらかぐや姫を手に入れることができなかったことは、権力の限界や人間の価値観を問いかけている
  • 月の世界と地上の対比: かぐや姫が月へ帰ることで、人間社会の儚さや無常観を強調している

竹取物語の影響と現代までの伝承

竹取物語は、日本最古の物語文学として、後世の文学や文化に多大な影響を与えました

  • 『源氏物語』への影響
    • 平安時代の長編物語『源氏物語』にも、竹取物語の要素が取り入れられている
    • 特に、女性をめぐる貴族の求婚や、身分を超えた恋愛観などが共通している
  • 現代文学・アニメ・映画への影響
    • 『かぐや姫の物語』(スタジオジブリ)や、SF作品で「月世界の姫」としての解釈が広まっている
    • 日本のみならず、世界的にもファンタジー文学の基礎として評価されている

竹取物語は、単なる昔話ではなく、日本の文化や思想、歴史が凝縮された物語です

平安時代の貴族社会を映し出しながらも、神話や宇宙観と結びつく奥深い世界観が魅力です

竹取物語には、かぐや姫に求婚する5人の貴族が登場しますが、彼らのモデルが存在します

5人のモデルはいずれも壬申の乱(672年)で活躍した人物で、大臣クラスの大貴族です

求婚者とそのモデル

求婚者物語での特徴モデルとされる人物
石作皇子(いしつくりのみこ)仏の鉢を持ってくるよう求められる石上麻呂(奈良時代の貴族)
車持皇子(くらもちのみこ)蓬莱の玉の枝を持ってくるよう求められる藤原不比等(藤原氏の祖)
阿部御主人(あべのみうし)火鼠の皮衣を求められる阿倍宿奈麻呂(阿倍氏の人物)
大伴大納言(おおとものだいなごん)龍の首の玉を持ってくるよう求められる大伴家持(万葉集の歌人)
石上中納言(いそのかみのちゅうなごん)ツバメの子安貝を取ってくるよう求められる石上宅嗣(学問に秀でた貴族)

奈良県広陵町には竹取物語の舞台とされる伝承が残っています

広陵町に伝わる「かぐや姫伝説」

  • 竹取の翁(かぐや姫を育てた人物)のモデルとして、「讃岐造(さぬきのみやつこ)」がおり、この人物は広瀬郡散吉郷(さぬきごう)(現在の広陵町)の人物
  • 「求婚者がかぐや姫のもとへ毎晩通った」という記述があり、当時の都である平安京から近い奈良県が舞台である可能性が高い
  • 古くから「この地でかぐや姫が育てられた」との伝承がある

広陵町の讃岐神社に伝わる伝説

広陵町にある讃岐神社には、讃岐造と竹取物語に関する伝説が伝えられています

神社周辺には竹林が多く、竹取物語との関係が深いと考えられています

このことからも、広陵町が竹取物語の舞台だった可能性があります

かぐや姫が実在したのではないかという説には、いくつかの根拠があります

実在説の根拠とは?

  • 歴史上の求婚者との一致
    • 竹取物語に登場する5人の求婚者が、実際に平安時代に実在した貴族たちと関連している
    • 例えば、車持皇子(くらもちのみこ)は藤原不比等、大伴大納言(おおとものだいなごん)は大伴家持ではないかといわれている
  • 竹取の翁のモデル
    • 竹取の翁のモデルとされる「讃岐造(さぬきのみやつこ)」が、現在の広陵町に実在したことが文献から確認できる
    • 広陵町にある讃岐神社には、竹取の翁に関する伝説が残っている

平安時代の貴族文化との関連

  • 女性の結婚観との一致
    • 平安時代の貴族社会では、女性が結婚を決める際に男性の資質を試す風習があった
    • かぐや姫が求婚者に難題を課し、乗り越えた者と結婚しようとした点は、当時の貴族社会の風習を反映している
  • 月への帰還の解釈
    • かぐや姫が「月へ帰る」と言ったのは、実際には貴族社会のしがらみから解放され、出家したことを示唆している可能性もある
    • 平安時代には、高貴な女性が仏門に入ることが珍しくなく、竹取物語もこの文化的背景を反映しているのではないかと考えられる

竹取物語と日本の歴史・神話のつながり

  • 「天女伝説」との共通点
    • 日本各地に伝わる天女伝説(天から舞い降りた女性が、特定の条件下で天に帰る)と竹取物語には多くの共通点がある
    • 例えば、かぐや姫のように、美しい女性が天から来て、最後には天へ帰るというストーリーが全国各地に残っている
  • 「迦具夜比売命」との関係
    • かぐや姫は、「迦具夜比売命(かぐやひめのみこと)」という古事記の存在と関連している可能性がある
    • 竹を神聖視する文化が日本には古くからあり、かぐや姫もその一環と考えられる

竹取物語の舞台とされる場所は広陵町以外にもいくつかあります

静岡・富士山との関係

  • 竹取物語の結末で、かぐや姫が天に帰る際に帝に「不老不死の薬」を渡す場面がある
  • その薬を燃やした場所が、現在の富士山であるという伝承が残っている
  • 富士山の「不死山(ふじさん)」という名称の由来になったともいわれている

京都・長岡京市の伝承

  • 京都府長岡京市には、竹取物語の成立地とされる伝承がある
  • 竹取翁の住居跡と伝えられる場所があり、「竹取翁の里」として知られている
  • 平安京に近いため、宮廷文化の影響を受けた可能性も考えられる

各地に残る竹取伝説の共通点とは?

  • 竹にまつわる神秘的な話が多い
    • 竹が光ったり、中から宝物や神聖なものが出てきたりする話が全国に残っている
  • 月との関連が強い
    • 月に帰る話や、天からの使者が登場する話が日本各地の神話に見られる
  • 高貴な女性の登場
    • かぐや姫のように、美しく高貴な女性が人間の世界に関わるが、最後には異界へ帰る話が多い
広陵町イメージキャラクターかぐやちゃん

広陵町には、かぐや姫にまつわるスポットがあります

広陵町のかぐや姫ゆかりのスポット

  • 竹取公園
    • 竹取物語をテーマにした公園で、かぐや姫の像や石碑が置かれている
  • 讃岐神社
    • 竹取の翁のモデルとされる讃岐造を祀る神社
    • 竹取物語との関係を示す伝承が残っている

広陵町のかぐや姫関連イベント

  • かぐや姫祭り(開催時期は要確認)
    • 地元で開催される竹取物語をテーマにしたイベント
    • かぐや姫のコスプレコンテストや、竹灯籠の展示などが行われる

広陵町を訪れ、かぐや姫の伝説を体感してみてはいかがでしょうか?

竹取物語は、日本最古の物語文学として、日本文化や歴史に大きな影響を与えてきました

その舞台として有力視される奈良県広陵町には、竹取物語に関連する数々の伝承や史跡が残っています

讃岐神社や竹取公園などを巡ることで、かぐや姫の物語をより深く感じることができるでしょう

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まぬるん

HSPであり、30年以上気象病に悩み続けた当事者。家族全員がHSP&天気痛体質。100冊以上の関連書籍を読み、医師の見解や論文も参考にしながら、信頼できる情報を発信しています。

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