卑弥呼の時代の古墳?纒向型前方後円墳とは

まぬるん

HSP歴30年以上・ミニマリスト歴5年、年間200冊以上本を読む。 家族5人全員がHSP。苦悩の結果、刺激や情報を減らすというミニマリストの考えがHSPとの相性が抜群と分かり、実践。その効果を感じている。 HSPは全員ミニマリストになれば良いと考えている。

古墳時代の幕開けとともに誕生した纒向型前方後円墳(まきむくがたぜんぽうこうえんふん)

この古墳は、前方後円墳が定型化する前の古墳とされ、この古墳の成立や背景を知ることで古墳時代の始まりを知ることができます

今回は、纒向型前方後円墳の特徴や歴史的意義について詳しく解説します

纒向型前方後円墳とは、古墳時代初期(3世紀前半頃)に築かれた前方後円墳の一種で、後に全国へ広まる前方後円墳の原型とされています

その特徴として、古墳の大きさが全長:後円部径:前方部長=3:2:1の規格となっています「寺沢薫1988」

また、前方部が低く、周濠(周囲の溝)はシンプルな構造(周提をもたない)で浅いのも特徴です

埋葬施設は木棺直葬が主流で、後の石室などの複雑な構造は見られません

これらの特徴から、纒向型前方後円墳は前方後円墳の初期形態と考えられています

なお、纒向型前方後円墳の名前の由来は奈良県桜井市にある纏向遺跡内に同古墳が密集することから寺沢薫さん(纒向学研究センター所長)によって1998年に名付けられています

纒向型前方後円墳の代表例として、以下の古墳が挙げられます

奈良県

纒向石塚古墳:桜井市の纒向遺跡内にある古墳で、墳丘長約96m。比較的シンプルな構造を持ち、周濠が確認されています

纒向矢塚古墳:桜井市の纒向遺跡内にある古墳で、

ホケノ山古墳:桜井市の纒向遺跡内にある古墳で、

その他地域

秋葉山3号墳:神奈川県海老名市の秋葉山古墳群にあり、全長は約90m

神門四号墳:千葉県市原市の神門古墳群にあり、全長49m、鉄剣1本等が出土

泊大塚古墳:福岡県糸島市にあり、全長75m、葺石が確認されています

纒向型前方後円墳は北九州から南関東まで確認できます

纒向型前方後円墳は北九州から南関東まで100基を超えます

しかし、ヤマト(奈良盆地南東部の纏向遺跡を中心とした遺跡群)の纒向型前方後円墳の築造時期が一番早く、規模も最大であることは注目すべき事実です

地方の纒向型はヤマトの纒向型の5分の4や4分の3、2分の1、3分の1サイズと小さく作られています

この点から見てもヤマト王権との格差は明らかになっており、この古墳時代初期ともいえる纒向型の時点でヤマト王権と地方の政治的関係が完成されていたとも言えます

現在でも「纒向型前方後円墳は弥生時代末期の墳丘墓であり、箸墓古墳が最古の古墳であり、箸墓築造から古墳時代である」という研究者の方がいます

しかし、前文のとおり、纒向型の時点でヤマトと地方の政治的関係が完成していることから、纒向型の時点で古墳時代は始まっていると考えるべきです

言うまでもありませんが、古墳時代の始まりはクニの始まりだからです

古墳の定型は纒向型前方後円墳から前方後円墳へ移行するのですが、その間は半世紀ほどしかないと考えられています

時代古墳形態
三世紀初め纒向石塚・纒向矢塚・ホケノ山纒向型前方後円墳
三世紀前半纒向勝山・東田大塚移行期
三世紀中頃箸墓定型化が完了した前方後円墳

箸墓古墳は前方後円墳として定型化した最初の巨大古墳であり、その存在はやはり特別です

卑弥呼が亡くなったのは西暦248年頃とされてますので、前記表から箸墓古墳は年代的に合致します

また、箸墓古墳より古く巨大な古墳は存在しないという事実からも箸墓が卑弥呼の古墳である可能性は高いように思います

しかし、現時点では確たる証拠が無いのが現状です

纒向型前方後円墳には、まだ多くの謎が残されています。

  • 被葬者は誰なのか?:卑弥呼説や倭王説などさまざまな説があるが、決定的な証拠は見つかっていません
  • 葬送儀礼:埴輪や儀礼用の器物の出土がほとんど無く、当時の葬送儀礼はどのようなものであったのか?
  • 全国への伝播:纒向型前方後円墳がどのようにして全国に広まったのか、また築造技術の変遷についてもさらなる調査が必要です

今後の発掘調査によって、纒向型前方後円墳のさらなる詳細が明らかになる可能性があります

特に、最新の考古学技術を活用することで、被葬者の特定や築造過程の解明が進むことが期待されます

纒向型前方後円墳は、前方後円墳の原型であり、ヤマト政権の成立と密接に関わる重要な古墳です

3世紀初めに築かれたこれらの古墳は、後に全国へ広がる前方後円墳文化の出発点となりました

今後の研究によって、纒向型前方後円墳のさらなる謎が解明されることが期待されます

参考文献

『卑弥呼とヤマト王権』寺沢薫著

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