古墳の発掘経験者が解説!埴輪の秘密:古墳との関係とその役割

まぬるん

HSP歴30年以上・ミニマリスト歴5年、年間200冊以上本を読む。 家族5人全員がHSP。苦悩の結果、刺激や情報を減らすというミニマリストの考えがHSPとの相性が抜群と分かり、実践。その効果を感じている。 HSPは全員ミニマリストになれば良いと考えている。

はにわ、と聞くとどんなイメージが浮かびますか?

「昔の焼き物」「歴史の教科書で見たことがある」……そんな印象をお持ちの方も多いかもしれません

しかし、はにわには意外な歴史的背景や役割があり、古代の人々の暮らしを知る手がかりにもなります

この記事では、はにわの役割や種類を分かりやすく紹介し、歴史の奥深さをお伝えします

奈良:ナガレ山古墳

古墳時代(3世紀中頃—6世紀末、諸説あり)は、弥生時代から続く「ムラ」の時代が終わり、さらに大きな「クニ」ができ、「クニ」の王や権力者が死後の墓として古墳を作り始めた時代です

埴輪は、この古墳とともに登場した焼き物です

古墳の周りや上に並べられ、当時の人々の信仰や社会のあり方を示す貴重な資料とされています

項目内容
時代3世紀頃〜6世紀頃
素材粘土(素焼きor窯焼き)
用途墓の装飾・儀式
種類円筒埴輪・形象埴輪

はにわには、主に次のような役割があったと考えられています

  • 生活の記録:形象埴輪には、当時の暮らしが反映されている
  • 墓の装飾:古墳の周りに並べ、権力者の威厳を示す
  • 魔除け:死者を守り、災いを防ぐための呪術的な意味
  • 儀式の道具:葬儀や祭祀の際に使用された可能性

これらの埴輪は、単なる装飾品ではなく、古代の人々の暮らしや信仰を反映している点が魅力です

ちなみに発掘で出土する埴輪の90%以上が円筒埴輪です

はにわには、大きく分けて 「円筒埴輪」「形象埴輪」 があります

1. 円筒埴輪(えんとうはにわ)

  • 筒状のシンプルな形
  • 古墳の周囲に等間隔で並べられた
  • 最も古くから存在したタイプ

2. 形象埴輪(けいしょうはにわ)

  • 人や動物、家などをかたどったはにわ
  • 5世紀以降に多く作られるようになった
  • 権力者の生活や文化を表している
形象埴輪の種類特徴
人物埴輪武人、巫女、貴族など、社会の様子を示す
動物埴輪馬、犬、鶏など、当時の人々と関わりの深い動物を表現
家形埴輪住居や倉庫の形をしたもの、建築様式を知る手がかり

古墳時代の後半になると、はにわの造形が徐々に変化していきました

初期の形象埴輪はリアルな表現が多かったのに対し、時代が進むにつれ、はにわの簡略化が見られます

最終的にあの有名な踊る埴輪のようなはにわが出来上がっていきます

また、古墳の築造自体が減少し、小規模化する中で、はにわの役割も薄れていきました

6世紀後半には大規模な古墳の築造がほとんどなくなり、それとともにはにわ文化も衰退していきます

権力者たちは新しい葬送の形を取り入れ、次第にはにわの製作は途絶えていきました

宮崎:はにわ公園
奈良:巣山古墳出土の円筒埴輪(古墳時代中期)

はにわは川などで採取した粘土をこね、細長く伸ばした粘土ひもを円形に積み上げた後、表面をハケと呼ばれる板状の木製工具で成形します

その後、「突帯(とったい)」と呼ばれるふしを付け、ナイフ状の工具で穴を開けます(「透かし(すかし)と呼ぶ」)

焼き方は古墳時代前期は野焼きで焼かれ、5世紀に登り窯が伝来してからは、登り窯で焼かれるはにわが増えました

はにわは土の厚みや焼き加減によって壊れやすいものも多く、全体が残っているはにわは貴重です

博物館に展示しているはにわは石膏で、足りない部分を埋めていることがよく見れば分かります

はにわの魅力は、単なる土製品ではなく、古代の文化や価値観を映し出している点にあります

  • 歴史を身近に感じられる
  • 当時の人々の思いや生活が形として残っている
  • 造形の素朴さに味わいがある

最近では、はにわをモチーフにした展示やグッズも増え、改めて注目されています

個人的には古墳ギャルのコフィーちゃんがすごく好きでした

はにわは、古墳時代の人々の暮らしや信仰を今に伝える貴重な文化財です

はにわの役割:墓の装飾・魔除け・儀式の道具・生活の記録
種類:シンプルな「円筒埴輪」と、リアルな「形象埴輪」
魅力:歴史を感じさせる造形と文化的価値

もし興味を持ったら、実際に博物館や古墳巡りをしてみてください

はにわの魅力をより深く知ることで、日本の歴史がより身近に感じられるかもしれません

参考文献

・『楽しく学べる埴輪図鑑』 かみゆ歴史編集部
・『もっと知りたいはにわの世界』若狭徹
堺市ホームページ

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