遺跡発掘調査のリアル!プロが語る遺跡発掘の裏側

まぬるん

生きづらさに悩むHSPの私が、ミニマリスト生活を通して見つけた「静けさ」と「心地よさ」をシェアしています。 刺激を減らしてラクに暮らしたい方に役立つ情報をお届けします。

地面の下に眠る歴史を掘り起こす「遺跡発掘調査」

テレビやニュースで発掘の様子が報道されることはありますが、実際の現場ではどのような作業が行われているのでしょうか?

発掘は宝探しのようなロマンに満ちた仕事と思われがちですが、実はとても地道で、重労働です

本記事では、発掘現場のリアルな様子を、私自身の経験を交えながら詳しくお伝えします!

「遺跡発掘調査」と聞くと、まるで宝探しのようなロマンを感じる人も多いでしょう

しかし、実際の発掘現場は 地道で過酷な作業の連続 です

なぜ発掘調査を行うのか?

遺跡の発掘調査は、主に以下の目的で行われます

目的説明
開発に伴う発掘道路や建物の建設前に、埋まっている遺跡を記録保存するための調査
学術的な調査歴史の解明を目的とした研究調査
文化財保護国や自治体が文化財として保護するための発掘

発掘調査の流れ

発掘調査は、簡単に言うと以下のようなプロセスで進められます

  1. 試掘(しくつ)調査 - 遺跡の範囲を確認するための小規模な調査
  2. 本発掘 - 本格的な掘削作業を行い、遺物を発見・記録
  3. 整理・分析 - 発掘した遺物を洗浄・接着・図面化する
  4. 報告書の作成ー発掘結果や遺物を整理した結果を報告書にまとめる

発掘調査の 主体となる人を「発掘技師」 と呼びます

この職業は 非常に専門性が高く、高学歴の人が多い のが特徴です

実際、私の職場の先輩二人はどちらも 京都大学の大学院を卒業 していました

ちなみに私は高学歴ではありませんが、運良くこの仕事に就くことができました

発掘技師になるには?

発掘技師の求人は 試験の倍率が高く、簡単になれる仕事ではありません

項目内容
学歴大学・大学院で考古学や歴史学を専攻した人
必要な資格学芸員
競争率高倍率(30倍とか当たり前)の試験を突破しなければならない(特に奈良県)
仕事内容調査計画の立案、発掘現場の指揮、遺物の整理・分析、報告書の作成

「考古学の発掘=筆で優雅に遺物を掘り出す」というイメージは 完全な誤解 です

日本の土は ほぼ粘土質で重く、スコップやクワが必須 になります

実際に使う発掘道具

道具名用途
スコップ大量の土を運ぶ
クワ硬い土を砕く
ユンボ(油圧ショベル)地表を大きく剥ぐための重機
トレンチスコップ細かい作業用の小型スコップ
両手鎌(通称:ガリ)一番良く使う、検出面をキレイにしたり、掘ったりする
テミ土を入れて運ぶ

筆を使うことは、全くありません!

硬い地面を掘り進める作業は 肉体労働そのもの であり、涼しい顔で発掘するようなものではないのです

日本の土は固い

発掘をしていて驚くのは日本の土が固いことです

鉄分が混ざった赤い土の現場では、ヒモを張るための釘をハンマーで地面に刺そうとした時、釘が地面に入らず折れたことがあります

その現場ではみんながつるはしで発掘をしていました

逆に、水が流れていた場所では土が柔らか過ぎて壁が崩れることもあります

スコップが短くなる!?

発掘で使う道具はステンレスの物が多いですが、使っていくうちにどんどん短くなっていきます

私も初めて見た時は驚いたのですが、大きいスコップも最後には園芸用の片手スコップみたいに金属部分が小さくなります

それほど、発掘は重労働なのです

発掘はもちろん掘っておしまいではありません

写真を撮ったり、地層や出てきた遺物や遺構の状況を図面におとしたり、遺物を持ち帰って洗ったり、遺物の図を書いたり、などなどして最終的に報告書という形で発掘の結果をまとめます

この報告書を見て、研究者が研究をするのです

簡単に各過程を紹介します

写真

発掘現場をキレイに整えてから、写真を撮ります

しかし、雲が現場の一部にかかっていたらダメなので、雲待ちをします

高いところから写真を撮るため、やぐらを組んだりします
最近はドローンを使うところもあるみたいです

図面

発掘現場の地層や遺構の状況、出土物の状況を全て図面に描きます

スケッチではなく、座標を出して書くので、図る係と書く係が必要です

写真のように土器が密集して出てくると、図面に無茶苦茶時間がかかります

遺物の後始末

遺物は動かせない物を除き、全て持ち帰ります

全て、土を落として洗い、小さな破片までナンバリングします

近くから出た物は破片と破片をくっつける作業もします

また、図面が書ける物は全て図面に描きます

報告書

報告書には、発掘の経緯や周辺の遺跡等に触れつつ、今回の発掘の結果を写真や図面と共に詳細に記載します

発掘技師は発掘が無い時はこの報告書作りをメインにしますが、実際は発掘が次々に入るので、報告書は溜まりがちです

数年前の発掘の報告書が出来ていないなんてザラにあります

しかし、世の中の発掘技師の方はコツコツと報告書を作っています

発掘調査には 期限がある ことを知っていますか?

特に 開発に伴う発掘 は、決められた期間内に終わらなければなりません

なぜなら、発掘が終わらないと、 道路や建物の建設が遅れてしまうから です

発掘が遅れるとどうなる?

状況影響
予定通り終了開発がスムーズに進む
遅れる工事のスケジュールがずれ込み、開発主からクレーム
大幅に遅れる発掘の中断を求められることもある

開発主(施工業者や自治体)にとって、発掘はお金がかかる上に工事の邪魔でしかありません

そのため、発掘が遅れると 「早く終わらせろ!」と圧力をかけられることもあるのです

発掘はじっくり慎重にやるべき作業ですが、こうしたプレッシャーの中で進めなければならない現実があります

発掘には 決められた予算 があります

1平方メートル辺り何万円という感じで決まっています

これは、開発に伴う発掘の場合、開発を行う人が負担することとなります

この予算の中で アルバイトを雇い、必要な機材を用意する 必要があります

しかし、資金が不足すると アルバイトを雇えなくなる のです

資金不足のリアルな影響

状況影響
予算があるアルバイトを雇い、発掘がスムーズに進む
予算が減るアルバイトの人数が減り、作業が遅れる
予算が尽きる一人で発掘に行くしかない

資金が尽きると、 スコップを持って自分一人で掘るしかなくなる という現実があります

なので、遺物が大量に出てくればガッカリすることもあります

ここまで発掘の厳しさをお伝えしましたが、それでもこの仕事には 大きな魅力 があります

発掘のやりがい

  • 1000年以上前の歴史に直接触れられる
  • 何もない地面から遺物が出た瞬間の感動
  • 出土品を通して、古代の生活を知ることができる
  • 自分の発掘した遺跡が後世に残る

「大変だけど、やめられない」 それが発掘の魅力です

発掘に興味のある方は、ぜひこの リアルな発掘現場の裏側 を知ってもらえたらと思います!

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